−管理人のたわごとブログ− 2007年9月
例規の中には、法規担当でありながら、まったく理解できていないものもあります。その代表的なものが、退隠料条例及び退隠料年額改定条例です。
一般的には、退隠料条例というよりも、退職年金及び退職一時金条例と言った方が分かりやすいでしょうか。いわゆる、恩給法の条例版です。本市では、恩給法の一部改正法の附則別表として規定されている年額の改定を、その都度、新たに年額改定条例を制定することとしていますので、原始条例である退隠料条例と38件の退隠料年額改定条例とが存在します。これがよく理解できません。
そんな理解できない条例の改正作業はどうするのかというと、恩給法と退隠料条例及び退隠料年額改定条例との文言をリンクさせ、恩給法の改正に合わせて、機械的に退隠料条例及び退隠料年額改定条例を改正するようにしています。
退隠料条例の対象者は減り続け、残すところあと2人となっています。不謹慎な話しですが、この39件の条例は、早く廃止したいと思っています。
広島市暴走族追放条例の最高裁判決については、既にみなさん御存じのことと思います。この裁判は、暴力団の準構成員であって、「面倒見」と呼ばれる地位にある人物が被告人であるということにも興味深いものがありますが、市町村の法規担当者にとっては、次のように非常に厳しい意見が述べられています。
「一般に条例については、法律と比較し、文言上の不明確性が見られることは稀ではない」(堀籠裁判官補足意見)
「本条例の粗雑な規定の仕方が、単純に立法技術が稚拙であることに由来するものであるとの認識に立った場合に、初めて首肯されるものであって、法文の規定そのものから多数意見のような解釈を導くことには、少なくとも相当の無理がある」(藤田裁判官反対意見)
条例というものは、こうした経験を踏まえて進化していくものでもあるのですが、判決文を読みながら、本市でも暴走族追放条例を制定せよと命令されていたらどうしただろうかと考えてしまいました。そもそも、このタイプの条例は、実効性を確保するためには都道府県で制定すべきものであると思っています。
「たとえ裁判で敗訴することがあったとしても、条例づくりへの果敢な挑戦が条例論の発展に寄与するものであることを確信して、堂々と冒険をしましょう」(「自治体法務の最前線」提中富和著/イマジン出版)という意見には共感できるのですが、法規担当者としては、このような条例はできるだけ制定したくないというのが本音です。
「自治大阪平成19年8月号」の相談室に「特別職の懲戒処分について」が掲載されています。実は、本市でも平成16年度に助役の懲戒事案(助役が理事長である財団法人の業務上横領事件)が発生したことがあります。
市町村の特別職の懲戒については、地方自治法施行規程第16条の規定により準用する第13条に規定されています。それによると、懲戒の処分は、免職、500円以下の過怠金及び譴責とされ、免職及び過怠金の処分は、職員懲戒審査委員会の議決を経なければならないとされています。当時、市長等にこのことについての説明をしたところ、「免職にはならんやろ。ほな、職員懲戒審査委員会開いて、議決して、過怠金500円か?」と驚かれました。「500円以下の過怠金」は、地方自治法施行規程の制定時(昭和22年)から改正されていませんので、現在の懲戒処分として考えると、確かに現実離れしているように思われます。
結果として、本市では助役に対し、懲戒処分ではなく、相当分の給与を自主的に返還してもらうことになりました。
先日、自宅付近で強盗傷害事件(いわゆるおやじ狩り)がありました。一人が正面から刃物を突き付けて「金出せ」とすごんでいるところに、もう一人がいきなり後ろから金属バットで殴り回し、こん倒させて金品を強奪するという悪質なものです。被害に遭われた方は、自分もよく知っている人です。頭部に重傷を負い、腕や肋骨を数箇所骨折しました。みなさんも気を付けてください。
自分の住んでいるところは、大阪南部の漁師町です。確かにガラの悪い地域ですが、犯罪とは無縁の、人情のある暮らしやすいところです。そんなところでこういう犯罪が起こると、治安が悪化しているのが実感として感じられます。
「安心して暮らせるまち」とは、総合計画や施政方針の中でよく使われる言葉ですが、自分は、行政の最も大事な役割は、正にこの「安心して暮らせるまち」をつくることだと思っています。
「1議案を2以上の委員会に付託すべきものではない。予算は不可分であって、委員会としての最終的審査は一つの委員会において行うべく、2以上の委員会で分割審査すべきものではない」(昭和29年9月3日行政実例)とされています。
しかし、本市では、当初予算案については予算特別委員会に付託しますが、補正予算案については各常任委員会に分割付託することとしています。本日の総務委員会でも、補正予算案のうち、総務費についてのみ分割付託しました。
ただし、「予算を各常任委員会に款・項・目と分けて付託することを分割付託というが、議案一体の原則からして不可とする見解があるが、地方議会での議案とりわけ予算は重要議案であることと、所管事務の調査及び所管の条例、請願・陳情等総合的見地から同一委員会で審査したいということで事実上各常任委員会に分割して付託しているところがかなり多い。筆者は議会内部としての事実運営で分割付託としても実害がなく、議員の気持からすると、やむを得ないものと考えている」(「会議規則・委員会条例・傍聴規則逐条解説」中島正郎著/ぎょうせい)との見解もあります。さらに、同書は「明解な解決策がなく、長年のネックであるのでむしろ抜本的には地方自治法の改正によってはっきりした指導がほしい」としています。
| Top