職務上の命令に従う義務

 地方公務員法第32条は、「職員は、その職務を遂行するに当つて、法令、条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない」と規定しています。
 職務命令が有効なものであるかどうか疑義があるに過ぎない場合は、その職務命令は有効であると推定されます。「職員が上司の職務命令を違法であるとして、その命令への服従を拒否し得るのは、一見明瞭な形式的適法性を欠く場合に限るべく、実質的な内容に立ち入つて審査しなければ容易に適法か違法か判明しない場合には、職員にその適否を審査する権限はなくたとえその主観において、職務命令の内容が違法または不当と考えられるものであつても、それが客観的に違法であることが明白でない以上、職員はそれを拒否することができず、ただ職務上の上司に対してこれに関する意見を述べることができるに過ぎないものと解するのが相当である」(昭和51年5月21日最高裁判決)とされています。
 しかし、「職務命令が当然無効である場合、すなわち、職務命令に重大かつ明白な瑕疵がある場合には、部下はこれに従う義務はない。たとえば、職務専念義務(法35)に違反して職務を放棄するよう命じられた場合、政治的行為の制限(法36)に違反して特定の公職の候補者のために選挙運動を行うよう命じられた場合、庁用自動車の運転手が制限スピードを超えて運転することを命じられた場合などはいずれも当然無効の命令であり、部下はこのような命令に従ってはならない」(「逐条地方公務員法」橋本勇著/学陽書房)のです。
 本市の職員には、こんな簡単なこともわからない者がいます。「市長が言うてんやからしゃあない」ではないのです。

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 17:19 | 地方公務員法

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投稿者   : 2013年8月12日 16:37

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