−管理人のたわごとブログ− 2007年8月
市長は、議会に「予算に関する説明書その他当該普通地方公共団体の事務に関する説明書を提出しなければならない」(地方自治法第122条)とされています。
予算に関する説明書を提出する必要があるのは「「予算を議会に提出するとき」に、当該予算に関するものに限られる」と解されています(「逐条地方自治法」松本英明著/学陽書房)。また、同条は「Aその他Bを提出しなければならない」と規定していますので、「事務に関する説明書」も、当初予算、補正予算を問わず、「予算を議会に提出するとき」には必ず提出しなければなりません。ただし、「地方自治法質疑応答集」(地方自治制度研究会編著/第一法規)には、「特定の経費に限られた補正予算案で、それが諸情勢により、あえて説明をするまでもないようなものについてまで必要とするかどうかは消極的に考えてよいのではなかろうか」とあります。
「予算に関する説明書」とは、同法第211条第2項に規定する「政令で定める予算に関する説明書」のことですが、「事務に関する説明書」とは、どのようなものでしょうか。
以前本市では、各課の事務を数値化した「事務報告書」という説明書を暦年で作成し、当初予算案が提案される3月定例会にのみ提出することとしていました。ところが、この「事務報告書」は、本市では、予算委員会でほとんど使われることがなく、専ら決算委員会での審議に使われていました。決算は会計年度で調製されるのに対し、事務報告書は暦年で作成されているのですから、当然、数字に相違が生じることになります。すると、議会は言うまでもなく、部課長からも会計年度で作成し、決算の認定に合わせて9月定例会に提出するようにとの要望がありました。自分は、そのたびに「事務報告書」が「事務に関する説明書」である以上は、そのような取扱いはできない又はすべきではないとの説明を行っていましたが、さすがに一人では抗しがたく、「平成14年中事務報告書」を最後に、「事務報告書」を会計年度で作成し、9月定例会に提出することになってしまいました。この9月定例会にも「平成18年度事務報告書」が提出されます。
なお、本市では、「予算に関する説明書その他」の説明書としては、投資的経費に限り「予算概要説明書」というものを作成し、提出することとしています。
市議会9月定例会議案の初校が出来上がりました。本市では、議案の初校が出来上がり次第、行財政管理課と議会事務局に1部手渡すのが慣例になっています。
3月定例会では、当初予算案が否決(3月29日付けブログ参照)されました。続く6月定例会では、当初予算案が否決されたにもかかわらず、また同じ内容の補正予算案を提出しました。当然、議会運営委員会で猛反発を受けましたので、本会議の初日に補正予算案を丸ごと差し替え、再度議会運営委員会を開催するという反則技を繰り出しました。こうした中で、初校の時点での議案が漏えいしているとしか思われないような動きが特定の議員にありました。議案が送付(2月27日付けブログ参照)されるまでは、総務課、行財政管理課及び議会事務局の一部の職員以外は、まして議員は、議案の全体を知り得ないはずなのですが…
本市では、現市長の就任以来、長期間にわたって執行機関と議会との関係がうまくいっていません。こればっかりは、一職員ではどうにもなりません。
他の市町村から顧問弁護士について照会されることがあります。一般的には、弁護士事務所と委託契約を締結し、第13節委託料により予算措置されていることと思います。しかし、本市の場合は、顧問弁護士を地方公務員法第3条第3項第3号に規定する特別職として雇用契約を締結し、第1節報酬により人事課で予算措置しています。
本市では、顧問弁護士は市の職員(非常勤特別職)ということになります。そのせいか、訴訟事務は、原課対応です。当然、文書法規係でも相談には乗りますし、頼まれれば弁護士事務所へも同行しますが、あくまで主体は、原課になっています。
なぜ、顧問弁護士を非常勤の特別職としているのかは、はっきりしません。今から30年以上前に前市長が初当選したときに、知り合いに現在の顧問弁護士を紹介していただいて以来のことであると聞いています。
先日のニュースでA市(北関東の市)の文書が写っていました。その文書は、読点に「、」ではなく、「,」を用いて作成されていました。そこで、A市のホームページを見てみると、ウェブ上では「、」が用いられていましたが、PDF化された公文書や例規集では「,」が用いられていました。そういえば、公務員が書かれているブログ等でも、読点に「,」を用いている例が見受けられます。
実は、「公用文でも、横書きの場合は本来「,」を用いることとされているのであるが(「公用文作成の要領」昭和26年10月30日国語審議会建議第3の5の注2)、今日までこのルールはほとんど無視されてきた」(「わかりやすい公用文の書き方」礒崎陽輔著/ぎょうせい)のです。現に、公用文の書き方を所管している文化庁、法務省や裁判所等以外ですと、国においてもこのルールはあまり守られていません。では、なぜこのルールが守られていないのでしょうか。元々、日本語は、縦書きを基本としており、官公庁においても昭和30年代半ばまでは縦書きで文書を作成していました。そのため、横書きで文書を作成することがなく、昭和26年に出された通知の記憶が薄れてしまったのがその原因ではないかと礒崎氏は自身のブログで述べておられます。
句読点は、句切り符号といい、戦後、欧米化の流れの中で公用文が横書きとされ、当初、句読点は「,」と「.」を用いるつもりであったと何かで読んだ記憶があります。国際標準なのでしょうか、確かに理系の専門書や学術書などでは、句読点に「,」と「.」が用いられているのが見受けられます。また、表彰状や感謝状では、句読点は用いないこととされています。
なお、地方公共団体では、各団体ごとに「公用文作成要領」等の手引を作成し、句読点の使い方について定めていることと思いますが、旧自治庁の「左横書き文書の作成要領」では「、」と「。」を用いることとされています。このことも「,」と「、」が混在することとなった原因の一つではないでしょうか。
今日、阪南8市4町法規事務担当者研究会が岸和田市のだんじり会館で開催されました。この研究会は、阪南地域の法規担当課の職員で構成され、年に4回、議会の定例会の前に各市町の持ち回りで開催しています。
この研究会も設立から10年が経過しました(設立当時は、阪南8市法規事務担当者研究会)。設立当初のメンバーで残っているのは、今や自分を含めて3人になってしまい、研究会というより、担当者の意見交換会としての性格が強いです。
現在、おおさか政策法務研究会に所属し、自治体合同法務研究会や関西自治体法務研究会に参加させていただき、様々な方と広くお付き合いさせていただいていますが、この始まりは、阪南8市4町法規事務担当者研究会にあります。この研究会がなければ、こんなブログを書くこともなかったと思います。
8月3日付け官報で証券取引法等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令が公布され、証券取引法等の一部を改正する法律の施行期日が平成19年9月30日とされました。
郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律及び証券取引法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の施行に伴い、市長の資産等の公開に関する条例の一部を改正する条例を市議会9月定例会に提案するため、先日、課長及び部長のレクを済ませ、決裁を上げたところでした。そのレクでの部長からの質問が「「証券取引法等の一部を改正する法律(平成18年法律第65号)の施行の日又はこの条例の施行の日のいずれか遅い日」て何やねん?」でした。
その時点では政令が公布されていなかったことと証券取引法改正法の施行期日が9月頃と仄聞している中で、同法に係る改正規定の施行期日を規定したものです。
最近、法律の施行期日が政令に委任されることが多いように思います。今回は、無事に修正できましたが、これも地方公共団体の法規担当者を悩ませることの一つです。
地方公務員法第32条は、「職員は、その職務を遂行するに当つて、法令、条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない」と規定しています。
職務命令が有効なものであるかどうか疑義があるに過ぎない場合は、その職務命令は有効であると推定されます。「職員が上司の職務命令を違法であるとして、その命令への服従を拒否し得るのは、一見明瞭な形式的適法性を欠く場合に限るべく、実質的な内容に立ち入つて審査しなければ容易に適法か違法か判明しない場合には、職員にその適否を審査する権限はなくたとえその主観において、職務命令の内容が違法または不当と考えられるものであつても、それが客観的に違法であることが明白でない以上、職員はそれを拒否することができず、ただ職務上の上司に対してこれに関する意見を述べることができるに過ぎないものと解するのが相当である」(昭和51年5月21日最高裁判決)とされています。
しかし、「職務命令が当然無効である場合、すなわち、職務命令に重大かつ明白な瑕疵がある場合には、部下はこれに従う義務はない。たとえば、職務専念義務(法35)に違反して職務を放棄するよう命じられた場合、政治的行為の制限(法36)に違反して特定の公職の候補者のために選挙運動を行うよう命じられた場合、庁用自動車の運転手が制限スピードを超えて運転することを命じられた場合などはいずれも当然無効の命令であり、部下はこのような命令に従ってはならない」(「逐条地方公務員法」橋本勇著/学陽書房)のです。
本市の職員には、こんな簡単なこともわからない者がいます。「市長が言うてんやからしゃあない」ではないのです。
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