辞令の効力発生時期

 任命行為(つまり辞令)の効力は、いつ発生するのでしょうか?
 「行政行為の効力発生の一般原則は、到達主義によっており、任命行為も法律に特別の定めがない限り、相手方に意思表示が現に到達し、または相手方が了知しうべき状態におかれたときにその効力を発生するものとされている(昭和25年11月18日法意一発第89号)。したがって、一般的には、辞令が交付されたときに任命行為の効力が発生することになる」(「逐条地方公務員法」橋本勇著/学陽書房)とあります。このことを厳格に解すると、例えば4月1日付けで総務課長が異動した場合、4月1日の決裁は、辞令交付式までは旧総務課長が、辞令交付式以後は新総務課長がするということになります。しかし、こんなことをしている自治体は、あるのでしょうか?
 「逐条地方公務員法」は、次に「しかし、降任のように不利益処分に該当するものについては、常に到達主義によって効力を生ずるものと考えなければならないが、その他の任命は、むしろ発令の日付の午前零時から効力を生ずると解することが任命権者の意思に合致し、職員の利益にも反しないものと考えられる」と続きます。至極もっともな解釈ではないでしょうか。

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 20:09 | 地方公務員法

コメント

はじめまして(o*。_。)oペコッ

田舎で地方公務員をしております。
いま辞令書の廃止を検討しておりまして、いろいろ検索をしていて辿り着きました。
異動内示後の辞令書の作成作業や交付式の段取り等が大変なので、これを廃止したいと考えております。
処分に関する発令は辞令書によらなければいけませんが、定期人事異動の発令は、これまでの内示を訓令で行い、その施行日を4月1日とすることで代えようと思っているのです。
任免規程のような例規には「〜は辞令書によらなければならない」とか規定されていることが多いのですが、幸いうちにはその規定がありません。
育児休業のように別に法令で辞令書の交付が規定されている場合を除いて、辞令書は廃止したい意向です。
もちろん、新規採用職員とか国や県からの派遣職員などの場合は儀式的に辞令書を交付するのが適当だと思うので、それもできることとしたいと思います。

管理人さんはどのように考えられますか?

投稿者 kinkin : 2007年4月21日 23:46

コメントありがとうございます。
人事異動に係る任命行為を令達文書により定め、これを告示することによって辞令の交付に代えることは、可能であると考えます。
ブログ中で引用しました法制意見においても、任命権者の意思表示の到達とは、現実に了知する必要はなく、了知し得べき状態におかれることをもって足りると解されています。この了知し得べき状態を辞令の交付に限る必要性は、認められません。
「地方公務員関係法令実務事典」(地方公務員法研究会編著/第一法規)3833ページにおいても、意思表示の到達には、辞令の交付以外も想定されているような記述があります。

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 2007年4月24日 18:20

コメント返しありがとうございます。

>「地方公務員関係法令実務事典」(地方公務員法研究会編著/第一法規)3833ページ

早速、法規係の図書室へ行って探してきます!
ε&eq;ε&eq;ε&eq;ε&eq;ε&eq;┏(゜ロ゜;)┛ダダダッ!!

PS 今後ともよろしくお願いいたします。

投稿者 kinkin : 2007年4月24日 21:53

 

投稿者   : 2013年10月2日 10:56

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