−管理人のたわごとブログ− 2007年3月
地方税法の一部を改正する法律(平成19年法律第4号)が今日告示されました。市税条例の一部を改正する条例を3月30日又は31日付けで専決処分し、公布することになります。
市税条例の全部を改正した(1月25日付けブログ参照)のは、例年行事である市税条例の一部を改正する条例の専決処分を、税務課からの条例案を待つことなく、文書法規係で行いたかったからです。条例(例)に何箇所かの誤りがあったのは御愛敬として、予想以上にスムーズな改正作業でした。
なお、一部の市町村では、地方税法の一部改正に伴う市税条例の一部を改正する条例のすべてを専決処分している場合がありますが、自分は、あくまで4月1日施行分に限るべきだと考えています。
平成19年度一般会計予算案が否決されました。そこで本市がとった方法は、議事日程を変更し、修正を加えた予算案を再提案するというものです。その結果、無事に可決されましたが、これは、一事不再議の原則に抵触しないのでしょうか?
否決した議会の意向を踏まえて内容(款・項)に修正を加えた予算案は、一事には当たらないというが本市の解釈です。たしかに、同じ議決でも、可決とは異なり、否決については、柔軟に対応するべきだと考えられています。可決された議案は、そのことについての議会の意思が決定されていますので、同一内容は当然のこととして、修正を加えた議案についても、事情変更の原則が働かない限り、提出することはできません。これに対し、否決された議案については、@議案を議会の意思として採用していない、A議会は他の案についての意思決定をしていないと考えられることから、同一内容の議案を提出することはできませんが、修正を加え、内容を変更した議案については、提案することができると考えられるからです(「議員・職員のための議会運営の実際21」地方議会研究会編著/自治日報社 参照)。
しかし、今回の修正部分は、議会で問題とされた事業予算を削除しただけです。「当初の否決された条例案を分割してその一部だけで新たな条例案として提出することも一事不再議の原則に抵触するものである」(「地方自治第367号 実務・研究『一事不再議の原則に関する若干の考察』浦野昭治」地方自治制度研究会編/ぎょうせい)のと同様に、今回の修正予算案は、一事に当たると考えるべきではないでしょうか。
最近、各地で当初予算案が否決されるケースが見受けられます。各自治体は、苦心の上での対応をされているとは思いますが、自分は、当初予算案が否決された場合は、3月定例会の会期を延長するなり、4月臨時会を招集するなりして、再議に付さなければならないと考えています。当初予算には、必ず「法令により負担する経費、法律の規定に基き当該行政庁の職権により命ずる経費その他の普通地方公共団体の義務に属する経費」が含まれているはずです。それを「削除し又は減額する議決をしたときは」必ず「長は、理由を示してこれを再議に付さなければならない」(地方自治法第177条第2項)と規定されているのがその理由です。また、一事不再議の原則の適用を除外する事項として、長の再議(地方自治法第176条・第177条)が規定されている意味も考えてみるべきではないでしょうか(予算案が可決する前に新年度が始まる場合は、予算の空白期間を防ぐために3月31日までに暫定予算を専決処分する必要があります。また、当初予算案が否決された自治体の対応としては、3月間の暫定予算を専決処分し、6月定例会で当初予算案を提案するという方法が見受けられます。)。
今回の事例は、自分の意見がまったく採用されなかったものです。「一事不再議の認定権者は議会であり、あるいは委員会であって基準がないことと、執行機関が関与すべきものではない。もしも、一事不再議に疑問がある場合どうするかは、特別にこの種のものに対する法規定がないことから、議員の思惑や立場、面子から混乱することになるが、そうした場合、議会運営委員会又は全員協議会で論議して、合意されたらそれに従えばよいし合意されなければ、一事不再議の理論を貫かないで、問題の事件に対して、採決することも解決の方法である」(「最新会議規則・委員会条例・傍聴規則逐条解説」中島正郎著/ぎょうせい)ということで自分を納得させようとはしていますが、悪しき先例ができてしまったという思いが強いです。
昨日は、おおさか政策法務研究会の定例会でした。「法制評価システムの試み」をテーマに会員のIさんが研究発表をしました。なかなか面白かったです。実践すれば、リーディングケースとして全国から注目されるのではないかと思いました。
例規を政策法務のPlan(制定)→Do(執行)→See(評価)のサイクルで検証してみると、See(評価)が一番機能していないように思います。機能していないからこそ、「条例の一斉点検を実施した。その結果、数十件の条例を廃止し、数百件の条例を改正した。」というようなことがニュースになるのではないでしょうか。そういえば、3月13日付け産経新聞の朝刊で駐留米軍の軽自動車税に関する条例が奈良市で廃止されたという記事がありました。本市においても、地方分権一括法の施行の際や例規のデジタル化などに伴い、その都度、例規の見直しを実施していますが、まだまだ完全ではありません。実際、自分のノートには、今も30件弱の例規が改正が必要なものとしてリストアップされています。
では、なぜ速やかに改正しないのかというと、原課の抵抗があるからです。そこには様々な理由があります。その抵抗を取り除く方法として、法制担当の側から定期的に例規を見直してやるのも一つの方法ではないでしょうか。実は、数年前から年度ごとに組織単位で例規の見直しを行おうとは考えているのですが、まだ実現には至っていません。
予算特別委員会が終了しました。その中で「例規システムデータ更新委託料 2,100千円」、これが高いのではないか、職員が自前ですべきではないかという質疑がありました。
追録式の例規集を発行していた頃は、年1回の更新で約500万円かかっていました。あの頃は、追録作業のために会議室を押さえて、例規集を集めるのに苦労しました。キャリアの長い又は一昔前に法制を担当されていた方は、理解していただけると思います。また、単価契約(1枚当たり何円)でしたので、予算を気にしながら例規改正をされていた方もいらっしゃったのではないでしょうか。現在は、更新は年4回、追録及び単行本はなしで定額により契約しています。
アウトソーシングを進めてスリムで効率的な行政運営に努めよという声が大きくなる中、「例規システムデータ更新委託料 2,100千円」というのは高いですか?
「本則が1項だけから成る法令の一部改正をする場合には、附則の規定との関連上誤解を生じない場合には、特に「本則」という表示をしなくてもよい」(「ワークブック法制執務」前田正道編/ぎょうせい)とされています。ならば、次の[例]のように1項から成る本則が各号を含む場合で、「A」及び「B」を改める場合には、どのようにしますか?
[例] ○○○条例
………………………A……………………………………………………………
……………………………………………………………。
(1) …………………
(2) ………B…………
附 則
この条例は、平成○年○月○日から施行する。
1 「A」を「C」に改めるだけの場合
「A」を「C」に改める。
2 「B」を「D」に改めるだけの場合
第2号中「B」を「D」に改める。(平成11年法律第220号附則第5条参照)
3 「A」を「C」に、「B」を「D」に改める場合
本則中「A」を「C」に改め、本則第2号中「B」を「D」に改める。(平成11年法律第83号第8条参照)
なお、本市では、3の場合、「各号列記以外の部分と各号中の双方の字句を改正する場合には、前の方から順に改正を行うために改正箇所を特定する手段として、「各号列記以外の部分中」を用いる方が適当であろう」(「自治立法実務のための法制執務詳解」石毛正純著/ぎょうせい)ということに従い、「本則各号列記以外の部分中「A」を「C」に改め、本則第2号中「B」を「D」に改める。」としました。
市議会3月定例会が開会しましたので、今日から情報公開コーナーで議案の閲覧が始まりました。新年度の予算書については、閲覧希望者が多いので、3月中は複数の部数を開架しています。
なお、購入希望者には、以下の金額(実費相当額)で販売しています。
一般会計・特別会計予算書 1,500円
予算概要説明書 1,000円
水道事業会計予算書 360円
病院事業会計予算書 150円
地方税法第1条第1項第3号は、徴税吏員を「道府県知事若しくはその委任を受けた道府県吏員又は市町村長若しくはその委任を受けた市町村吏員をいう」と規定しています。市税条例の全部改正に伴い見直した条文ですが、市長が徴税吏員であることも、委任という行為が規定されていることも知りませんでした。改めて法律を読む重要性を実感しました。
そこで調べてみたのですが、よく分かりませんでした。徴税吏員の委任の形式については、「条例(県税賦課徴収条例等)において、地方税法にいう徴税吏員の職務権限を規定するとともに、別途徴税吏員の発令を要する」(昭和25年8月8日行政実例)とあります。また、「組織規程で「△△課勤務を命ぜられた吏員は、徴税吏員を命ぜられたものとする」というように、辞令の交付手続を要しないでする包括的な任命の方法もある」(「コンメンタール市町村税条例(例)」市町村税条例研究会編集/ぎょうせい)ともあります。確かに、この委任の形式は法令上何ら制限がなく、適宜の方法で差し支えないと解されます。しかし、権限の委任であるならば、任命行為によるのではなく、委任する旨を明確にする方法によるべきだと思うのですが…そもそも、首長が徴税吏員である理由が分かりません。自治体の長が行う職務と当該自治体の職員(徴税吏員)が行う職務とを区分して規定した方が理解しやすいと思われるのですが…
なお、公職選挙法第136条第7号に規定する「徴税の吏員」は、「都道府県知事又は市町村長の委任を受けて徴税事務に携わる都道府県又は市町村の吏員をいうのであって、都道府県知事又は市町村長はここにいう徴税の吏員には含まれていないと解されている」(「逐条解説公職選挙法」自治省選挙部/政経書院)とあります。
| Top