−管理人のたわごとブログ− 2007年12月
例規原本作成用のワープロソフトを平成20年からどうしようかと考えていました。本市では、議案及び例規原本はオアシスを使って作成していますが、オアシスは2002バージョンを最後に生産が中止され、以後のサポートがなくなっていると思い込んでいたからです。オアシスをオアシスU形式に変換して使うのも、そろそろ限界かなと感じていました。
自分が文書法規を担当するようになった時の庁内の標準ワープロソフトはオアシスでした。当時、その都度異なっていた例規の書式を統一しましたが、書式の統一に当たっては、文字を整然と並べるため、数字や符号についてもすべて全角で規定することとしました(当然、本市のローカルルールです。)。オアシスは、法規文書用のソフトとしては、けい線が文字キャラクターであるという欠点もありますが、法規文書を作成するには適したソフトであると思っています。
その後、OA化とともに庁内の標準ワープロソフトはワードに変わりました。しかし、ワードは元々が外国のソフトのため、半角をベースにしており、文字を整然と並べることができないことが、いまだにオアシスを使っている理由です。
まだオアシスを使うのか、シェアを考えてワードにするのか、それとも一太郎か、と考えていたのですが、オアシスV10が出て、サポートも続いていることが判明しました。
もう一年、結論は先送りしようかと思っています。
給与条例の一部を改正する条例を市議会12月定例会に追加提案しました。
今回の条例改正は、人勧のプラスαとして、平成20年1月1日の昇給に限り、本来の昇給の号給数に1号給を加えた号給数を昇給の号給数としています。これは、平成13年1月1日から昇給期間を24月延長(平成15年度から平成17年度までは給料月額の3パーセントをカット)したことの回復措置として実施するものですが、昇給期間で考えると、3月の短縮ということになります。
ここで問題となったのが、平成17年度の給与改定によって、平成18年4月1日から適用されることとなった新しい給料表の給料月額が、それまで受けていた給料月額を下回った場合の経過措置として、それまで受けていた給料月額(以下「現給保障額」といいます。)を保障することとされた職員(以下「現給保障者」といいます。)の取扱いです。
本来の昇給に1号給の特別昇給を加えた号給数の給料月額が現給保障額を上回った場合に、その給料月額を現給保障者の給料月額とすると、職員間で給料月額の逆転が起きてしまう場合があります。現給保障額は、現在の給料表には規定されていない給料月額だからです。そこで、現給保障者については、本来の号給数で昇給した場合に現給保障額に達しないときは、現給保障額に、本来の昇給額に1号給を加えた昇給額と本来の昇給額との差額に相当する額を加えた額を新たな現給保障額とする必要があります。
この規定を考えるのには、相当、力が要りました。
議案を撤回し、又は訂正しようとするときは、「会議規則の定めるところによるべきであるが、原則としては、提案者の意思のみによって撤回することはできず議会の同意を必要とするものと解」(昭和28年4月6日行政実例)されています。
「標準」都道府県・町村会議規則は、「会議の議題となった事件を撤回し、又は訂正しようとするとき及び会議の議題となった動議を撤回しようとするときは、議会の許可を得なければならない。ただし、会議の議題となる前においては、議長の許可を得なければならない」と規定しています。
なお、「標準」市議会会議規則では、会議の議題となる前については規定していませんが、都道府県及び町村と同じ取扱いをしているものと思われます。
こうした撤回や訂正とは異なり、単なる印刷ミスや計算ミス、「てにをは」などの誰が見ても誤りが明らかであるもの(議案に実質的な内容の変更がないもの)については、どの地方公共団体も正誤表を提出することとしていると思われますが、問題は、正誤表を提出する時期です。
「正誤表は実質的な審議が終了するまでの間に配布されなければなりません。質疑終了(討論の前)までに配布されるのが望ましいですが、法的には表決直前まで可能と言えます」(「議員・職員のための議会運営の実際2」地方議会研究会編著/自治日報社)とありますが、本市では、会議の議題となる前までに限って提出することとしています。では、会議の議題となった後に正誤表を提出する必要が生じた場合はどうするのでしょうか?幸いにして、これまでそのような事態は生じていませんが、もしも生じた場合は、おそらく反則技を繰り出すことになると思います。
本市の木は、いちょうです。市内には街路樹としてたくさんのいちょうの木がありますが、この季節になると葉が落ち、そのことがちょっとした問題になっています。
以前は、市民が善意で落葉を拾い集め、ごみの収集場所に出していただいていたのですが、最近ではそういうことがめっきり減ってきています。その原因の一つは、家庭用ごみの有料化ではないかと自分は思っています。確かに、ボランティア用のごみ袋を使えば無料ですが、市役所へ出向いた上で申請しなければならないという手間から敬遠されているのではないでしょうか。
本市は、平成18年4月1日から家庭用ごみの有料化を実施しました。当時、有料化の実施に際して色々と問題もあったのですが、今でも自分が疑問に思っているのは、家庭用ごみの収集、運搬及び処分に係る手数料の徴収根拠です。
地方自治法第227条は「普通地方公共団体は、当該普通地方公共団体の事務で特定の者のためにするものにつき、手数料を徴収することができる」と規定しています。すべての住民が受益者である家庭用ごみの有料化は、「特定の者のためにするもの」には該当せず、この規定を根拠として手数料を徴収することはできないと解されていたはずです。だからこそ、廃棄物の処理及び清掃に関する法律第6条の2第6項で「市町村は、当該市町村が行う一般廃棄物の収集、運搬及び処分に関し、条例で定めるところにより、手数料を徴収することができる」と規定されていたはずです。当時の厚生省の解釈は、廃掃法第6条の2第6項の規定は、地方自治法第227条の特則であって、廃掃法第6条の2第6項の規定によって「特定の者のためにするもの」に限らず、すべての住民が受益者である場合であっても手数料の徴収が可能であるとしていたのではないでしょうか。その後、地方分権一括法によって、廃掃法第6条の2第6項の規定は、削除されました。手数料の徴収根拠は、どこにいったのでしょうか。また、いつ解釈が変更されたのでしょうか。
「循環型社会の形成に向けた市町村による一般廃棄物処理の在り方について(意見具申)」(平成17年2月14日中央環境審議会)で一般廃棄物の有料化の推進が提言されていますが、これ以降、急激に全国の市町村が有料化に傾いていったように思います。財政が悪化している市町村にとっては、収入を確保するためにも有り難い提言だったと思います。
市町村たばこ税都道府県交付金制度は、逆に、交付基準(3倍)までならば構わないとの都合のよい解釈を一部の市町村がするところとなり、改めてたばこの卸売販売業者等の誘致が起こってきています。
たばこ消費税の収入を得るため、製造たばこ小売人の営業所を町内に誘致し、補助金を交付したのは違法であるとの判決(昭和43年12月26日名古屋地裁判決)があることから、新たに制定された企業誘致条例を見てみると、産業の振興や雇用の創出を図ることを目的として、たばこの卸売販売業者等のみならず、幅広く一定の基準に該当する新規事業者の誘致を図ることとされています。このことによって、同判決で違法とされた補助金の交付とは目的を異にし、産業の振興や経済の活性化等において公益性があると解していると思われます。しかし、実際は、初めからたばこの卸売販売業者等を対象とし、それをごまかすために条例が制定されているように見受けられます。当該条例は明らかに不自然な規定になっていますので、法律又は法制執務の知識のある方ならば、御理解いただけると思います。
なお、同判決では、「甲町のたばこ消費税収入が増加し、財政が豊かになるから乙被告の営業を助成するための補助金交付は公益のためになされた支出であるというけれども、前記232条の2にいう「公益上必要」とはたんに当該公共団体の収入の増加に役立つということではなく、住民全体の福祉に対する寄与貢献と解すべきものであるし、本件における町税収入の増加は直接には日本専売公社のたばこ消費税納付によるものであって、被告乙は自らの営利のために努力しているだけのことにすぎない。また、その業態も補助金を支出して助成しなければならないほど公共性の高いものでもない。…(略)…被告乙の営業所を甲町の区域内にいざなうのでない限り、みすみす他市町村に巨額の財源を奪われるということをいわんとするのであれば、本件奨励金の支出は収入増加をはかる手段としてすら正道を外れたものと評さざるを得ない」とされています。
このような企業誘致条例は、市町村たばこ税という制度の抜け穴を利用したものであり、法律上問題があるだけでなく、他の地方公共団体の犠牲の上に成り立つ性格のものであって、極めて不適切なものです。いやしくも地方公共団体がとるべき手段ではありません。
市議会12月定例会に企業誘致条例が提案されています。文書法規を担当するようになって初めて法規審査を拒否した条例です。
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