全国学力・学習状況調査

 11月22日付け読売新聞朝刊によると、全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の学校別や市分の結果の公開を求めている情報公開請求について、枚方市は21日、公開することで学校や自治体間の序列化につながりかねず、国との協力関係を損なう恐れがあることから、非公開とする決定をしたそうです。
 枚方市では、以前、市が独自に実施している市立小中学校学力診断テストの情報公開請求に対して学校別成績を非公開としたことについて、非公開決定の取消しを求める訴訟が提起され、1、2審で敗訴した結果、非公開部分を公開したということがありました。この裁判では、学校別成績を非公開としたことは、「本件学力テストの目的を著しく失わせ、その適正若しくは公正な執行を著しく妨げるとは認められない」(平成19年1月31日大阪高裁判決)とされています。
 一方、「平成19年度全国学力・学習状況調査に関する実施要領」(平成18年6月20日付け18文科初第317号通知)7の(4)のイによると、都道府県教育委員会は「域内の市町村及び学校の状況について個々の市町村名・学校名を明らかにした公表を行わないこと」、また、市町村教育委員会は「域内の学校の状況について個々の学校名を明らかにした公表を行わないこと」とあります。しかし、この実施要領は通知であって、強制力はありません。現に学校名を明らかにした公表を行っている市町村もあります。
 市が独自に実施した学力テストと全国学力テストとを同一のものとして考えることはできません。しかし、このような状況で、全国学力テストの非公開理由であろうと思われる「事務事業の適正又は公正な執行を著しく妨げる」又は「市と国等との協力関係を著しく損なう」と認められることは難しいのではないかと思います。

投稿者 おおさか政策法務研究会管理人 : 20:25 | 情報公開・個人情報保護

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